20代・30代・40代の転職|年代別の年収アップ相場と戦略【2026年版】

20代・30代・40代の転職|年代別の年収アップ相場と戦略【2026年版】 転職

「転職で年収アップ」と一括りに語られることが多いですが、実際の確率と上昇幅は年代によって大きく異なります。

20代の転職と40代の転職では、市場での評価軸も、企業から期待される役割も、現実的な年収アップの幅も別物です。本記事では、公的データと転職サービスの最新統計をもとに、年代別の年収相場と転職戦略の違いを整理します。

転職全体の年収アップ戦略については給料を上げる最短ルートは転職|データで分かる年収アップの真実で解説しています。

「年代によって転職事情は違う」を数字で確認する

転職市場では、「若い方が年収を上げやすい」と言われます。これは感覚論ではなく、統計データで裏付けられた事実です。

厚生労働省「令和5年上半期雇用動向調査」によれば、転職で賃金が上昇した人の割合は年代別に次のようになっています。

  • 20〜24歳:約53%
  • 25〜29歳:約46%
  • 30〜34歳:約44%
  • 35〜39歳:約45%
  • 40〜44歳:47%(JAC Recruitment 自社実績2022年)

20代前半をピークに、30代以降は年収アップ確率がじわじわ下がっていきます。さらに40代以降は、上がる人と下がる人の二極化が進み、ハイクラス転職に成功すれば大きく上がる一方、ポジションが合わないと現職維持や下落に転じます。

また、年代別の平均年収そのものも大きく異なります。doda「平均年収ランキング2025」によれば、20代365万円、30代454万円、40代517万円、50代以上601万円。年齢が上がるほど年収の絶対額は上がるものの、転職による上昇幅の確率は逆に下がるという構造です。

なぜ年代によって転職市場での評価が変わるのか

年代別に転職事情が異なる構造的な理由は、企業が応募者に求めるものが年代ごとに変わるからです。

20代は「ポテンシャル」で評価されます。スキルや実績がまだ十分でなくても、若さ・吸収力・育成期間の長さといった要素が市場価値として評価されます。未経験職種への挑戦も比較的通りやすく、業界も職種も自由度が高いです。

30代は「即戦力」と「マネジメント候補」のハイブリッドで評価されます。これまでの実務経験と専門性が問われ、同時に5〜10年後のリーダー層としての伸びしろも見られます。職種を変える転職は20代より難しくなりますが、業界を変えて職種で一貫性を保つ転職は十分可能です。

40代以降は「即戦力」と「マネジメント実績」が中心評価軸になります。新しい分野を一から学ぶ余地は限られ、これまでの専門性・人脈・成果がそのまま市場価値になります。専門性が高ければハイクラスポジションで大きく年収を上げられますが、汎用的な経歴の場合は転職そのものの選択肢が狭まります。

では、自分の年代では何ができて、何が難しいのか

これらの構造を踏まえて、各年代の転職戦略を具体的に見ていきます。

20代の転職戦略

20代の転職は、転職市場で最も需要が高い年代です。年収アップ確率も全年代で最高で、20代前半では53%が年収を上げています(厚労省 令和5年上半期雇用動向調査)。

平均年収は365万円(doda 2025)で、転職による平均アップ額は転職前485.6万円→転職後504.6万円で約19万円増(マイナビ転職動向調査2024年版、2023年実績)。

20代の戦略の特徴は、選択肢の広さです。

職種を変える転職が比較的通りやすい 未経験職種への転職が、他の年代より容易です。営業からエンジニア、事務職からマーケティングなど、ポテンシャル採用枠で異職種への移動が可能です。30代以降では難易度が大きく上がる選択肢なので、職種を変えたいなら20代のうちに動くのが合理的です。

業界を変えるリスクが小さい 業界を変えても、即戦力としての期待が30代以降ほど強くないため、年収ダウンの幅が抑えられる傾向があります。給与水準の高い業界(情報通信、金融、コンサル等)への移動も、若いうちが入りやすいタイミングです。

長期的キャリアの土台を作る時期 20代の転職で得る業界経験・職種経験は、30代以降のキャリアの土台になります。年収だけでなく、5〜10年後にどう成長したいかから逆算して転職先を選ぶと、30代以降の選択肢が広がります。

注意点として、20代は転職回数が多いと「定着しない人材」と見られるリスクがあります。短期間での複数回転職は、明確な理由とキャリアストーリーで説明できないと評価が下がります。

30代の転職戦略

30代は転職市場で「即戦力」として評価される年代に切り替わります。年収アップ確率は44〜45%、平均年収は454万円(doda 2025)。マイナビ転職動向調査では、30代の転職前後の平均年収は510.1万円→535.5万円で+25.4万円と、20代より絶対額の上昇幅は大きくなります。

30代の戦略の特徴は、専門性の活用です。

同職種・同業界での企業規模アップ 20代で積み上げた専門性を活かしつつ、より大きな企業規模・給与水準の高い企業に移ることで、年収レンジを段階的に上げる戦略が効果的です。中小企業から大手、地方企業から首都圏企業、といった移動で確実な年収アップが狙えます。

業界を変えて職種を保つ 業界を変える場合は、職種の連続性を保つのが鉄則です。例えば営業職のまま、給与水準の低い業界から高い業界(小売→IT、メーカー→金融など)に移ることで、職種スキルを活かしながら業界給与水準のアップを取れます。

マネジメント経験を獲得・アピール 30代後半に向けて、マネジメント経験の有無が年収レンジに直結し始めます。現職で管理職を経験している、または小規模でもチームリーダーとして部下を持っている経験は、転職市場で大きな評価ポイントになります。

注意点として、30代の未経験職種転職は20代より難易度が高く、年収ダウンのリスクが伴います。労働政策研究・研修機構「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成」では、未経験でも処遇が下がらないのは30代前半までと報告されています。30代後半で未経験職種を狙う場合は、年収ダウンを覚悟するか、副業・独学で事前に専門性を獲得しておく必要があります。

40代の転職戦略

40代の転職は、これまでの専門性とマネジメント実績が市場価値の中心になります。年収アップ確率は40〜44歳で47%(JAC Recruitment 2022年実績、ハイクラス転職)と、エージェント経由では決して低くない数字ですが、汎用的な経歴の場合は選択肢が狭まります。

40代の平均年収は517万円(doda 2025)で、年収分布は二極化が進みます。同調査では、40代で「1,000万円以上」の年収帯の人の割合は5.5%で、30代の1.9%から大きく増えます。一方、300〜600万円帯にも56.6%が集中しており、上下の差が広がる年代です。

40代の戦略の特徴は、ハイクラスポジション特化です。

専門性・実績を活かしたハイクラス転職 これまでのキャリアで培った専門領域・業界知識・マネジメント経験を活かして、現職よりもポジションが上のハイクラス求人を狙うのが基本戦略です。JAC Recruitment、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウトなどのハイクラス向けエージェント・スカウトサービスの活用が効果的です。

ヘッドハンティング・リファラル経由の優位性 40代の転職は、公開求人だけでなく、ヘッドハンター経由の非公開求人やリファラル(社員紹介)が大きなウェイトを占めます。スカウトサービスへの登録、業界内人脈の活用、エージェントとの長期的な関係構築が、20〜30代以上に重要になります。

未経験転職は原則避ける 40代で未経験の業界・職種に飛び込むのは、年収ダウンのリスクが高く、回復の時間も短くなります。やむを得ず未経験領域を狙う場合は、これまでの経験と接続性のある領域(同業界の隣接職種、同職種の隣接業界)に絞ります。

注意点として、40代は転職活動の長期化を覚悟する必要があります。20〜30代に比べて応募できるポジション数が限られ、選考プロセスも慎重になるため、求人探しから入社まで6ヶ月以上かかることも珍しくありません。現職を続けながらスカウトを待つ、長期戦の構えで進めるのが現実的です。

年代を問わず共通する成功要因

年代別の戦略は異なりますが、共通する成功要因も存在します。

自分の市場価値の客観的な把握 どの年代でも、転職活動の出発点は自分の市場価値の把握です。20代でも過大評価、40代でも過小評価が起きることがあります。複数のサービスで多角的に確認するのが鉄則です。詳しくは自分の市場価値の調べ方|転職前に必ずやる年収診断の手順で解説しています。

業界選びの戦略性 どの年代でも、業界の選択は年収レンジに直結します。給与水準の高い業界に移れる可能性があるなら、それだけで年収アップの確率は大きく上がります。業界別の年収水準は年収が高い業界ランキング|国税庁データで分かる業界別の格差と転職戦略で確認できます。

年収交渉の準備 年代を問わず、内定後のオファー面談での交渉が最後の年収アップ機会です。準備不足のまま提示額を受け入れると、本来取れたはずの上振れを逃します。

まとめ:自分の年代に合った戦略を選ぶ

年代別に整理すると、転職での年収アップは次のように設計するのが現実的です。

  • 20代:選択肢の広さを活かし、職種・業界の自由度を持って動く
  • 30代前半:同職種で企業規模・業界水準を上げる戦略
  • 30代後半:専門性とマネジメント経験を組み合わせて評価される戦略
  • 40代以降:ハイクラスポジション特化、エージェント・スカウト経由の長期戦

「転職で年収アップ」を実現するには、自分の年代で何が市場で評価され、何が制約になるかを理解した上で戦略を選ぶことが必要です。汎用的なアドバイスではなく、自分の年代に合った打ち手を選んでこそ、年収アップの確率が最大化します。

年収ダウンになりがちな失敗パターンを避けたい方は転職で年収が下がる人の特徴と回避策も併せてご覧ください。現職を続けながら年収を上げる選択肢を比較したい方は同じ会社で給料を上げる方法はある?昇進・資格・社内異動の現実を参照してください。


参考:

  • 厚生労働省「令和5年上半期雇用動向調査結果の概況」
  • 厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」
  • doda「平均年収ランキング(2025年)」
  • マイナビ転職動向調査2024年版(2023年実績)
  • JAC Recruitment「転職者実績2022年」
  • 労働政策研究・研修機構「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成」